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当院について

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    初診8:30~11:00
    再診8:15~11:00

  • 休診日
    土、日、祝日

    年末年始(12月29日~1月3日)
    日本赤十字社創立記念日(5月1日)

  • 喫煙について
    病院敷地内禁煙

  • 面会受付時間
    面会制限中
    ※14時~17時に1回30分 詳細はこちら

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    095-847-1511

    〒852-8511 長崎市茂里町3番15号

令和6年度 日本赤十字社長崎原爆病院 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
  4. 転倒・転落発生率
  5. 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
  6. 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
  7. d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
  8. 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
  9. 身体的拘束の実施率

年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード

年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 - 84 123 146 323 631 1437 2475 1697 485
当院は、広範囲の診療領域で地域の中核病院としての役割を担っています。その中でも特にがん診療と、高齢者に多い大腿骨骨折や膝関節症の手術を中心とした医療を提供していることからも、60歳以上の患者様の割合が多い傾向にあります。令和6年度の60歳以上の割合は全体の82%以上を占めております。周産期・小児科医療はございませんが、二次救急医療施設の指定を受けており、幅広い年齢層の救急患者を受け入れております。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード

消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術処置2なし 定義副傷病名なし 118 11.26 8.88 4.24% 75.94
060035xx03xxxx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 50 7.02 6.39 0.00% 68.36
060035xx99x6xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術処置2-6あり 49 5.20 4.64 0.00% 70.84
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 39 8.51 7.45 0.00% 73.41
060035xx99x5xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術処置2-5あり 37 4.00 4.42 0.00% 72.05
・胆管(胆内外)結石、胆管炎、限局性腹腔膿瘍手術等
胆管結石は胆汁の流れを悪くすることで、胆管炎、黄疸、敗血症などの原因となるため、治療が必要です。胆管結石は主に内視鏡を用いて除去します。胆管炎は胆管結石の除去やステントを挿入することで胆汁の流れを良くし、抗生剤などの薬物療法と合わせて治療します。

・結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術
大腸癌の中でもリンパ節転移の可能性がほとんどない早期大腸癌は内視鏡による治療が可能です。20mmを超える大きな病変でも、専用の電気メスを用いて腫瘍を一括で切除する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を行っています。

・結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術処置2-6あり
根治切除不能な進行大腸癌に対しては進行抑制、症状緩和目的に薬物療法を行います。薬剤選択の際には各種バイオマーカー検査を行い、結果に基づいて適切に薬剤を選択しています。

・胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術
胃癌の中でもリンパ節転移の可能性がほとんどない早期胃癌は内視鏡による治療が可能です。病変の形や大きさに応じて、内視鏡的粘膜切除術(EMR)や内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を行います。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術処置1あり 手術処置2なし 202 2.63 3.03 0.50% 73.78
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術処置1なし 手術処置2-4あり 定義副傷病名なし 64 11.59 8.16 0.00% 72.72
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術処置2なし 63 12.79 16.40 6.35% 82.89
040040xx99041x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術処置1なし 手術処置2-4あり 定義副傷病名あり 45 17.20 13.08 2.22% 70.60
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術処置2なし 40 17.15 20.78 20.00% 84.00
・肺の悪性腫瘍 
近年、肺癌化学療法の進歩はめざましく、生存期間延長が証明された新規薬剤が多く発売されており使用可能となっている。呼吸器内科ではこれら新規薬剤も含めた標準治療を患者様に届けられるよう努力している。
当院は長崎県におけるがん診療拠点病院として肺癌診療において多くの患者様を受け入れている。肺癌の確定診断には通常気管支内視鏡検査を施行しており安全確実で患者様にとって安楽な検査ができるよう努力している。

・肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上)、誤嚥性肺炎
成人肺炎診療ガイドラインに2024に準じた標準的加療を行っています 。

・肺非結核性抗酸菌症
結核病学会ガイドラインに準じた標準的な加療を行っています。
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130060xx99x4xx 骨髄異形成症候群 手術なし 手術処置2-4あり 103 9.31 9.72 0.00% 76.16
130010xx99x9xx 急性白血病 手術なし 手術処置2-9あり 79 10.85 12.45 0.00% 77.37
130010xx97x9xx 急性白血病 手術あり 手術処置2-9あり 78 25.03 34.69 5.13% 76.79
130030xx99x5xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術処置2-5あり 56 19.13 19.30 0.00% 74.80
130060xx97x40x 骨髄異形成症候群 手術あり 手術処置2-4あり 定義副傷病名なし 50 15.48 18.57 2.00% 79.20
・骨髄異形成症候群
骨髄異形成症候群は骨髄内の造血幹細胞に多種多様な遺伝子変異が重なることにより、上手に血液を作れなくなり、血球減少(貧血、血小板減少、白血球減少など)をきたす疾患です。増悪進展すると白血病化することもあります。当院では化学療法、輸血、造血因子などにより治療に当たっています。また、新薬の開発(治験)にも関わっています。

・急性骨髄性白血病
急性骨髄性白血病は骨髄内の造血幹細胞が若干骨髄球系に分化した段階で、様々な遺伝子異常が発生することに起因する骨髄性白血病細胞が生じ、急速に増殖する疾患です。そのため、当初は骨髄異形成症候群と同様に血球減少(貧血、血小板減少、白血球減少)が認められますが、病勢進行とともに白血病細胞が骨髄から溢れ、末梢血中に出現すると、白血球増加(白血病細胞による)に転じます。患者様は高齢者が多く、非自己造血幹細胞移植療法や強力化学療法が適応とならない事が多く、以前は積極的には治療できない患者様も多く認められました。幸いにも、近年、このような患者様でも十分に治療できる方法が確立され、当院でも積極的に治療を行っています。また、当院では、急性骨髄性白血病細胞に対する新薬の開発(治験)にも携わっています。

・非ホジキンリンパ腫
非ホジキンリンパ腫は悪性リンパ腫という疾患群の中の一つのカテゴリーです。非ホジキンリンパ腫の中にもたくさんの種類のリンパ腫があります。一般的に悪性リンパ腫は悪性化したリンパ腫細胞がリンパ節の中で増殖し病気を起こします。当院では最新の治療薬をいち早く取り入れて診療に当たっています。さらに、新薬の開発(治験)にも関わっています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術処置1あり 225 2.01 2.45 0.00% 69.76
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 定義副傷病名なし 125 6.06 5.16 0.00% 62.15
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術処置2なし 96 7.00 6.81 0.00% 73.60
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術等 62 8.60 7.77 0.00% 73.13
110080xx01xxxx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 51 11.65 11.11 0.00% 69.49
地域がん診療連携拠点病院の泌尿器科として、泌尿器癌の中で最もポピュラーな腎細胞癌、尿路上皮癌(腎盂尿管癌、膀胱癌)、前立腺癌を中心に、数多くの検査、手術・薬物療法などの治療を行っております。
前立腺癌において、前立腺生検を数多く行っております。PSA4-10ng/mlのいわゆるグレーゾーン症例での高い癌陽性率を誇っております。ほとんどの症例でMRI/TRUS融合前立腺生検を施行しております。これにより事前に撮影したMRI画像を前立腺生検時に行う経直腸的エコー(TRUS)の画像と融合させて、癌が疑われる部位に正確に穿刺し、そこから組織を採取出来るような最新の前立腺生検が行えるようになりました。さらに限局性前立腺癌に対して昨年よりロボット支援前立腺全摘を開始し、手術を積極的に行っております。また高リスク以上の患者さんに拡大骨盤内リンパ節郭清を併せて施行しております。
膀胱癌においては、ロボット支援膀胱全摘や経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)などの手術を数多く行っております。早期癌に対して、TURisシステム※1を用いてTURBTを行っており、追加で深層(筋層)を切除し、病期診断・治療をしっかりと行っております。また主にT1G3症例※2にセカンドTURBTも積極的に行っております。ロボット支援膀胱全摘時の尿路変更も、尿管皮膚ろう術、回腸導管、新膀胱形成術のいずれも可能です。
腎細胞癌に対しては、腫瘍の小さい癌(cT1aなど)はロボット支援腎部分切除を中心に行っており、部分切除が困難な症例では腹腔鏡下根治的腎摘を施行しております。転移性腎細胞癌の症例ではさまざまな薬物療法も積極的に行っております。
悪性腫瘍以外では、尿路結石の症例に対して、ホルミウムレーザーを使用した経尿道的尿管砕石術などを行っております。また前立腺肥大症に対しは、ホルミウムレーザー前立腺核出術、半導体レーザー前立腺蒸散術、経尿道的前立腺切除術、前立腺吊り上げ術などの手術も数多く行っております。

※1 TURisシステム(従来の機器と比較して、電解質溶液を介して電極全周を放電させて切除するので、組織との接触状態に関わらず安定した高い切れ味を維持できるとともに、合併症の発生の可能性を抑えることができる)
※2 T1(粘膜固有層に達するも筋層にまでは達していない癌)、G3(最も悪性度が高い)

整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx02xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 110 20.27 25.29 80.91% 84.86
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 59 18.36 19.16 89.83% 83.00
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 43 28.30 21.38 20.93% 74.79
160760xx01xxxx 前腕の骨折 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨等 34 11.74 5.95 2.94% 66.79
160760xx02xxxx 前腕の骨折 骨内異物(挿入物を含む。)除去術 前腕、下腿等 26 4.04 3.06 0.00% 66.50
・股関節大腿近位骨折(大腿骨近位部骨折:大腿骨頚部骨折・転子部骨折)
大腿骨近位部骨折は高齢者に多い骨折で、主に転倒することで生じます。日本での患者数は年間15万人以上と言われています。認知症を含めた合併症や寝たきりの予防の観点から、ほとんどの患者様に対して早期に手術を行いリハビリを開始しています。
・胸腰椎圧迫骨折
転落や転倒により生じる骨折で、脊椎の椎体が潰れてしまう骨折です。高齢者等骨粗鬆症の方に多い骨折で、尻もちや少し勢いよく座った程度で生じることもあります。多くは体動困難となって救急受診され、入院治療の適応となります。保存的治療が一般的で、2週間程度の安静の後、コルセットを装用してリハビリを開始しますが、神経麻痺を合併したり、圧潰が高度な場合等は手術が選択されることがあります。

・膝関節症(変形性膝関節症)
膝関節軟骨のすり減りや半月板の変性・断裂等により、関節内に炎症が起きたり、関節が変形したりして痛みが生じる疾患です。65歳以上の日本人の約60%が罹患していると推定されています。症状が軽いうちは鎮痛剤・関節注射・装具・リハビリ等で治療しますが、症状が強くなると手術も選択されます。

・前腕の骨折(橈骨遠位端骨折)
転倒して手をついた際に受傷することが多い骨折で、多くは手関節(手首)の骨折です。骨折部を整復してギプス等で固定する保存的治療も行われますが、固定期間の短縮や、早期リハビリ開始のため手術を行うことが多くなってきています。
消化器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060035xx0100xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術処置1なし 手術処置2なし 76 14.70 14.81 3.95% 73.47
060335xx0200xx 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術処置1なし 手術処置2なし 63 7.29 7.05 3.17% 65.87
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 21 6.24 5.99 0.00% 66.67
060040xx0300xx 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 直腸切除・切断術 切除術等 手術処置1なし 手術処置2なし 16 16.56 14.91 0.00% 67.00
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 16 6.44 5.32 0.00% 45.00
・結腸の悪性腫瘍、直腸肛門の悪性腫瘍
結腸癌や直腸癌に対する手術はほとんどを腹腔鏡下手術で行っています。臍より腹腔鏡を挿入して大腸を取り出して大腸をつなぎ直す手術です。開腹手術よりも体に与える負担が少ないとされており術後10日から2週間程度で退院が可能です。癌の進行度に合わせて術後の抗癌剤を検討します。
2024年5月より当院ではロボット手術を当該疾患に対しても導入しております。より精緻な手術が可能となり術後回復が早くなっています。

・胆嚢炎等、胆嚢疾患
胆石症に伴う胆石性胆のう炎や増大傾向にある胆のうポリープに対して行う腹腔鏡下胆のう摘出術がほとんどの症例となります。お腹に開けた小さな穴から腹腔鏡という細径のカメラをいれて胆のうを取り出す手術です。手術後3-4日で退院可能です。

・虫垂炎
虫垂炎の炎症の程度に関係なく、前例腹腔鏡で行っています。創が小さいので術後の痛みが軽く早期に退院できます。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術処置1あり 60 2.00 2.02 0.00% 64.75
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術処置1なし 手術処置2なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 28 21.04 17.33 3.57% 86.93
050050xx9920xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術処置1-2あり 手術処置2なし 24 3.67 3.27 0.00% 74.79
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術処置1なし、1,3あり 手術処置2なし 定義副傷病名なし 23 12.35 9.59 4.35% 84.74
050080xx99001x 弁膜症(連合弁膜症を含む。) 手術なし 手術処置1なし 手術処置2なし 定義副傷病名あり 19 26.11 18.36 10.53% 86.58
 当診療科では増加している心不全、心筋梗塞や狭心症といった虚血性心疾患、心房細動などの不整脈、薬剤抵抗性、二次性などの高血圧、拡張型や肥大型などの心筋症、大動脈瘤、大動脈解離といった大動脈疾患、閉塞性動脈硬化症、深部静脈血栓症、肺血栓塞栓症などの幅広く循環器疾患を診療しています。さらに近年循環器疾患との関連も強くいわれている睡眠時無呼吸症候群にも力をいれています。
診断、治療として心臓カテーテル検査、冠動脈に対する形成術やステント留置術、下肢血管に対する形成術やステント留置術、心臓電気生理学的検査、リードレスを含めたペースメーカー植え込み、心房細動に対する電気的除細動、深部静脈血栓症に対する下大静脈フィルター挿入など行っています。
狭心症、心筋梗塞といった虚血性心疾患に関してはワイヤー使用しiFR、FFRを測定し、機能的評価に基づき、適切な治療を行っております。また現在はステントによる治療が標準的ですが、近年エビデンスが整いつつある薬剤コーティングバルーンを用いての、ステントレスの治療も増えていっています。
徐脈性不整脈に関してはペースメーカー植込みを行い、症例によっては大学病院とも相談しリードレスペースメーカーの適応も考えています。またペースメーカークリニックを行い、遠隔モニタリングなど適切な管理、交換術など対応しています。
心不全に関しては高い再入院率、高齢化、長い在院日数が問題となっています。当院では医師、看護師、理学療法士薬剤師、管理栄養士などの多職種のチームで診療をすることを目的に心不全クリニカルパスを導入、カンファランスを実施しています。薬物治療として、HFrEF(駆出率の低下した心不全)患者にはfantastic fourの導入(βblocker、MRA、ARNI、SGLT2阻害薬)を、HFpEF(駆出率の保たれた心不全)患者にも新しいエビデンスのあるSGLT2阻害薬を導入するよう努めています。また難治性であった閉塞性肥大型心筋症に対する新薬も登場しており積極的に導入しています。
患者さんの教育にも力を入れています。心不全教室のみならず高血圧、動脈硬化、不整脈などの教室を開催し、また心不全手帳を記載することによって心不全の自己管理への理解が深まるようになりました。退院前には心肺運動負荷試験(CPX)を開始し、適切な運動処方を行っています。心不全療養指導士、心臓リハビリテーション指導士も増え、心不全診療はますます充実しています。
睡眠呼吸障害に関しては、難治性高血圧、心房細動、心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患、心不全の患者さんを中心に外来での簡易検査、1泊入院での睡眠ポリグラフィ検査を行い、CPAP導入を行っています。今までよりも検査枠を拡大し、より多くの患者さんの診療ができるようなりました。
本院はがん拠点病院であり、がん患者さんの薬剤による心筋症や血栓症を多く経験します。腫瘍循環器病学は最近のトピックスでもあり、主治医と連携をとりながら診療にあたっています。
今後も多くの患者さんのお役に立てるよう診療していきます。
乳腺・内分泌外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術処置1なし 80 7.91 9.77 2.50% 63.48
090010xx02xxxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 43 4.51 5.50 0.00% 64.74
090010xx97x0xx 乳房の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術処置2なし 33 2.55 6.48 0.00% 57.82
090010xx99x2xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術処置2-2あり 16 19.50 25.66 0.00% 69.13
090010xx99x0xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術処置2なし - - 9.75 - -
画像検査の発展に伴い、早期乳癌症例が増えてきており、中にはMRIでしか認識できない様な微小な病変も指摘される様になりました。当院では保険診療でMRIガイド下乳腺生検が施行可能であり、より早期の乳癌が診断できる様になりました。
令和6年の乳癌根治手術症例数は151例であり、その内乳房温存手術が58例、再建を含む乳房切除術(全摘)が93例でした。また腋窩リンパ節の扱いに対しては乳癌根治手術症例全体の約70%以上に対して縮小手術であるセンチネルリンパ節生検を行っております。以前と比べ乳房切除術(全摘)の割合が増加してきている背景には乳房内の乳癌の広がりを正確に診断する画像検査の精度向上と、乳房再建手術の増加があると思われます。
当院では放射線診断専門医と共に手術前の正確な画像診断(腫瘍の広がりや性質)を確認し、病理専門医が術中のセンチネルリンパ節生検や断端検索、術後の精密な組織診断を行っております。それにより乳腺外科医は患者様に最善の治療を行うことができ、結果として乳房の整容性を保つことが可能となり、リンパ浮腫などの合併症も軽減できます。また、乳房再建を専門とする上記の形成外科医師がいることで、乳房再建手術に関する正確な情報提供と手術の施行が可能となりました。
近年、種類の増加が著しい薬物療法については、病理診断に基づき乳腺専門医が患者様毎に必要な薬剤を選択しながら、補助薬物療法を施行しております。放射線療法については、放射線治療専門医が正確な照射範囲と回数を患者様毎に計画し治療を施行しております。
このように当院では、経験豊富な乳腺外科・形成外科・病理診断科・放射線診断科・放射線治療科がしっかりと連携し、定期的なカンファレンスを行いながら手術の効果を向上させる体制が整えられています。平成30年からは開放型病床を増設し、乳腺専門の診療所の先生方と共同で診療を行うようになり症例はさらに増加してきております。
糖尿内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術処置2なし 47 18.23 20.78 27.66% 84.36
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 12 13.50 13.66 16.67% 82.75
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術処置2なし 10 9.40 5.55 0.00% 66.30
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術処置2-1あり - - 13.77 - -
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術処置1なし - - 9.77 - -
上記患者数は、DPC対象病棟のみにおける当診療科の入院患者数となっています。
糖尿病の教育入院は主に地域包括ケア病棟(DPC対象外病棟)に入院のため、診断群分類別患者数には計上となりません。
当該診療科における内分泌・代謝疾患の入院患者(DPC対象/対象外病棟を問わない)の疾病構成は下記のとおりです。

<入院患者の疾病構成(令和6年度)>
2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシス除く) 62件
1型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシス除く) 3件
誤嚥性肺炎 53件
その他の感染症(真菌を除く) 22件
腎臓又は尿路の感染症 12件

<解説>
糖尿病を中心とした代謝性疾患、甲状腺を中心とした内分泌疾患を主に担当しています。
糖尿病においてはインクレチン系製剤が治療上の主流となってきており、また、SGLT2阻害薬などの新規薬剤の登場があり治療薬選択の幅が広がっています。注射薬もGLP−1受容体作動薬の中でインスリンと併用できるものや週1回の投与の製剤などが新しいところです。
当院には糖尿病療養指導チーム(DET)があり、多職種によるチーム医療を行っています。
また、糖尿病専門医や糖尿病認定看護師、認定薬剤師、日本糖尿病療養指導士、長崎地域糖尿病療養指導士が多数在籍しています。
CSII/SAP、FGMなどによる高度糖尿病治療も可能であり、積極的に新規糖尿病薬についても取り入れています。
リウマチ・膠原病内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術処置2なし 28 15.75 20.78 35.71% 84.71
070560xxxxx00x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術処置2なし 定義副傷病名なし 18 12.78 14.93 0.00% 75.28
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術処置2なし 14 16.07 16.40 7.14% 84.50
070560xxxxx01x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術処置2なし 定義副傷病名あり 13 20.46 24.07 7.69% 70.62
180010x0xxx0xx 敗血症(1歳以上) 手術処置2なし - - 20.06 - -
関節リウマチ
関節リウマチは関節にある“滑膜”に炎症が起こり、関節に痛み・腫れを起こす病気です。
進行すると、痛みに加え、関節の軟骨・骨の破壊を引き起こします。
以前は痛みを軽減するほかは あまり有効な治療がなく、時間が経つとともに関節の変形・破壊を起こしていました。
しかし,西暦2000年あたりを境として、関節リウマチの診断・治療方針は劇的に変化してきました。
新しい治療薬が開発され、以前は、関節リウマチの治療は痛みを抑えることが中心でしたが、
“MTX(メトトレキサート)” という薬が使用されるようになると、関節リウマチの痛み・炎症を抑えるだけでなく、骨破壊も抑制することができるようになりました。
さらに、様々な“生物学的製剤”と言われる点滴・注射薬が使用されるようになり、MTXの服用で十分な効果が得られなかった患者の皆さんの対しても、痛みや骨破壊を抑えることができるようになりました。

膠原病
膠原病は、皮膚・筋肉・結合組織などに炎症を起こす全身疾患です。
ここには、全身性エリテマトーデス・強皮症・皮膚筋炎などや、“膠原病関連疾患”とも言われる、血管炎やシェーグレン症候群などを含みます。
これらの患者さんに対しては、ステロイド剤や免疫抑制剤による治療を行っています。
※膠原病は個々の患者さんの症状・状況により治療法が異なってきます。
当科では、それぞれの患者さんに応じて、ステロイド剤内服・ステロイドパルス・免疫抑制剤などによる治療を行っています。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx02x0xx 肺の悪性腫瘍 肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの等 手術処置2なし 91 9.96 9.82 2.20% 72.00
040200xx01x00x 気胸 肺切除術等 手術処置2なし 定義副傷病名なし 18 9.89 9.59 0.00% 40.72
06007xxx97x0xx 膵臓、脾臓の腫瘍 その他の手術あり 手術処置2なし - - 11.52 - -
040150xx97x0xx 肺・縦隔の感染、膿瘍形成 手術あり 手術処置2なし - - 28.41 - -
060060xx9700xx 胆嚢、肝外胆管の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術処置1なし 手術処置2なし - - 11.77 - -
・肺の悪性腫瘍、気胸
呼吸器外科では年間約100例前後の原発性肺癌手術を行っています。殆どが胸腔鏡下に手術を行い、開胸手術は多臓器合併切除などの場合のみです。
悪性腫瘍の手術が多いため相対的に気胸の手術は少なくなっています。他院から転院の、肺気腫などに合併した難治性の続発性気胸が比較的多く、術前の入院期間がやや長いため平均在院日数はやや長めになっています。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060565xxxxx0xx 顎変形症 手術処置2なし 48 4.63 6.71 0.00% 28.13
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術処置2なし - - 2.74 - -
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) 手術あり 手術処置1なし - - 4.65 - -
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術処置1なし - - 12.98 - -
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術処置1なし - - 3.77 - -
・顎変形症
上顎や下顎の骨の形・大きさ・位置の異常は先天性(生まれつきの素因)や後天性(発育の不均衡、骨折など)の原因によって起こります。噛み合わせ(咬合)の異常と顔の変形を主な症状とします。矯正歯科との共同治療を行い、手術で上顎や下顎骨の移動によって咬合と顔貌の修正を行います。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術処置2なし 14 8.21 6.92 0.00% 73.93
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術処置1なし 14 22.57 12.98 0.00% 78.43
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術処置1なし 10 3.50 3.77 0.00% 73.70
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 - - 9.33 - -
080100xxxx0x1x 薬疹、中毒疹 手術処置1なし 定義副傷病名あり - - 17.28 - -
・膿皮症
起炎菌や耐性化に配慮して適切な抗菌剤を投与し、症状が改善したら、通院治療に切り替えます。

・皮膚の悪性腫瘍
手術前日もしくは当日入院、縫縮は2-3日間。植皮術では7日間前後の入院になります。

・皮膚の良性新生物
手術前日もしくは当日入院、2-3日間の入院になります。

・帯状疱疹
抗ウイルス剤を全身投与し、強い神経痛にも対応します。入院期間は6~8日間です。

・薬疹、中毒疹
ステロイド剤の内服または点滴、外用による治療を行い、原因の検索も行います。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 121 3.30 5.84 0.00% 53.31
030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり 39 6.28 6.68 0.00% 58.28
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 38 8.58 7.35 0.00% 30.32
030320xxxxxxxx 鼻中隔弯曲症 25 3.24 5.63 0.00% 35.68
030440xx01xxxx 慢性化膿性中耳炎・中耳真珠腫 鼓室形成手術等 15 4.80 6.06 0.00% 58.13
・慢性副鼻腔炎
内視鏡手術を中心に鼻・副鼻腔疾患の手術を実施し、良好な成績を得ています。現在はCOVID-19流行に伴い短期間での入院で加療しています。

・耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり
耳鼻咽喉科・頭頚部外科領域の各腫瘍に関して、手術を実施しています。

・扁桃、アデノイドの慢性疾患
扁桃炎を繰り返す習慣性扁桃炎を中心に扁桃摘出術等を実施しています。

・慢性副鼻腔炎
内視鏡手術を中心に鼻・副鼻腔疾患の手術を実施しています。県内でも有数の手術数があり、良好な成績を得ています。手術の多くは、全身麻酔下・短期入院で実施しています。

・鼻中隔弯曲症
鼻中隔が強く曲がり鼻閉などの症状がある場合、内視鏡を用い弯曲を矯正し症状を改善させます。副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎の手術と同時に行うこともあります。

・慢性化膿性中耳炎・中耳真珠腫 鼓室形成手術等
慢性中耳炎や真珠腫性中耳炎に対する手術を行い、聴力改善にも努めています。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード

初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 42 - - 122 12 28 1 7
大腸癌 52 29 57 96 60 140 1 7
乳癌 67 72 19 - - 33 1 7
肺癌 116 43 120 160 113 221 1 7
肝癌 - 11 - - 11 33 1 7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
 日本で最も罹患数の多い5つの癌(胃癌・大腸癌・乳癌・肺癌・肝癌)の病気ステージごとの症例数を集計しました。様々なステージの癌診療を行っています。
癌種別の専門医が手術、化学療法、放射線治療を行うほか、痛みや精神的苦痛を和らげて治療に専念していただけるよう、緩和ケアチームにて疼痛管理を行っております。

成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード

患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 37 12.62 60.84
中等症 118 14.39 76.50
重症 18 17.44 82.56
超重症 - - -
不明 - - -
 肺炎は重症度が上がるにつれて患者様の年齢、平均在院日数も上がっていく傾向にあります。肺炎は日本人の死亡原因の上位に挙げられ、今後もその傾向は続くとと予想されています。当院は近隣の診療所、介護施設等からも積極的に肺炎の患者様を受け入れることによって地域医療を支えています。

脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード

発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 14 22.43 87.43 42.11
その他 5 10.80 83.80 5.26
 当院には脳疾患の外科的手術を行う診療科、医師、設備がありませんので、投薬もしくは経過観察で改善できる症例のみとなっております。
なお、手術が必要な症例につきましては、速やかに近くの専門的な治療ができる病院に紹介、搬送いたしております。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード

消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 135 3.68 9.36 3.70% 75.65
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 65 1.08 4.78 0.00% 68.11
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術) 39 1.23 6.28 0.00% 73.41
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) など 36 3.14 5.94 0.00% 72.33
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみのもの) 34 1.35 4.50 2.94% 71.44
・内視鏡的胆道ステント留置術
胆石や炎症、腫瘍などのため胆汁の流れが悪くなっている胆管に対して、X線撮影を行いながら内視鏡的にステントというストロー状の管を挿入して、胆汁の流れを良くする治療です。病態によってプラスチック製のものや金属製のものを使い分けます。その後、原疾患により追加の処置や治療を行うこともあります。

・早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術
食道や胃、大腸の壁は粘膜層、粘膜下層、筋層という3つの層からできていますが、がんは最も内側の層である粘膜層から発生するため、主に浸潤が粘膜層にとどまっている早期胃癌に対して、専用の高周波電気メスを用いて病変周囲の粘膜を切開し、粘膜層を含めた粘膜下層までを剥離し、病変を一括切除するという治療法です。

・内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術)
食道や胃、大腸の壁は粘膜層、粘膜下層、筋層という3つの層からできていますが、がんは最も内側の層である粘膜層から発生するため、主に浸潤が粘膜層にとどまっている早期癌に対して、専用の電気メスを用いて病変周囲の粘膜を切開し、粘膜層を含めた粘膜下層までを剥離し、病変を一括切除するという治療法です。

・抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置 
癌に対する化学療法を何回も行っていると、血管の脆弱性をきたすことがあります。これを予防することで全身への影響を少なくして副作用を軽減させることを目的として、抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置が行われます。血液の癌患者様のほとんどが設置しており、消化器癌では癌種や選択される薬剤に応じて設置しています。

・内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみのもの)
胆管や膵管の出口にあたる十二指腸乳頭に電気メスを挿入し、高周波電流を用いて乳頭括約筋を切開し、出口を広げる治療法です。総胆管結石の治療やステントを挿入する際に必要となります。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザーによるもの) 126 1.11 4.17 0.00% 61.65
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) 96 1.13 4.82 0.00% 73.73
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 67 0.58 4.15 2.99% 67.12
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) 49 1.12 9.47 0.00% 69.55
K841-21 経尿道的レーザー前立腺切除・蒸散術(ホルミウムレーザー又は倍周波数レーザーを用いるもの) 47 1.00 6.34 0.00% 73.13
 前立腺癌において、前立腺生検を数多く行っております。PSA4-10ng/mlのいわゆるグレーゾーン症例での高い癌陽性率を誇っております。ほとんどの症例でMRI/TRUS融合前立腺生検を施行しております。これにより事前に撮影したMRI画像を前立腺生検時に行う経直腸的エコー(TRUS)の画像と融合させて、癌が疑われる部位に正確に穿刺し、そこから組織を採取出来るような最新の前立腺生検が行えるようになりました。さらに限局性前立腺癌に対して昨年よりロボット支援前立腺全摘を開始し、手術を積極的に行っております。また高リスク以上の患者さんに拡大骨盤内リンパ節郭清を併せて施行しております。

膀胱癌においては、ロボット支援膀胱全摘や経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)などの手術を数多く行っております。早期癌に対して、TURisシステム※1を用いてTURBTを行っており、追加で深層(筋層)を切除し、病期診断・治療をしっかりと行っております。また主にT1G3症例※2にセカンドTURBTも積極的に行っております。ロボット支援膀胱全摘時の尿路変更も、尿管皮膚ろう術、回腸導管、新膀胱形成術のいずれも可能です。

腎細胞癌に対しては、腫瘍の小さい癌(cT1aなど)はロボット支援腎部分切除を中心に行っており、部分切除が困難な症例では腹腔鏡下根治的腎摘を施行しております。転移性腎細胞癌の症例ではさまざまな薬物療法も積極的に行っております。

悪性腫瘍以外では、尿路結石の症例に対して、ホルミウムレーザーを使用した経尿道的尿管砕石術などを行っております。また前立腺肥大症に対しは、ホルミウムレーザー前立腺核出術、半導体レーザー前立腺蒸散術、経尿道的前立腺切除術、前立腺吊り上げ術などの手術も数多く行っております。

※1 TURisシステム(従来の機器と比較して、電解質溶液を介して電極全周を放電させて切除するので、組織との接触状態に関わらず安定した高い切れ味を維持できるとともに、合併症の発生の可能性を抑えることができる)
※2 T1(粘膜固有層に達するも筋層にまでは達していない癌)、G3(最も悪性度が高い)
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(上腕) など 78 1.96 16.92 67.95% 82.42
K0821 人工関節置換術(膝) など 64 1.64 24.81 20.31% 74.23
K0483 骨内異物(挿入物を含む。)除去術(前腕) など 44 0.98 3.50 0.00% 62.18
K0811 人工骨頭挿入術(股) 41 2.27 15.88 90.24% 84.63
K0462 骨折観血的手術(前腕) など 40 2.00 10.13 10.00% 65.30
・骨折観血的手術(上腕骨・大腿骨など)
当院では多くが大腿骨骨折です。除痛、早期の離床・社会復帰を目的に髄内釘などの内固定材料で固定します。

・人工関節置換術(膝)
変形性膝関節症の患者様で、膝関節痛が強く変形が高度で保存的治療でも改善されない患者様に対して実施しています。膝関節を金属と樹脂でできた人工関節に取り換える手術で、手術時間は1時間半から2時間程度、入院期間は約3週間で、当院では年間80例ほど行っています。人工関節の耐用年数は15年から20年とされています。

・骨内異物除去術
骨折などの手術時に使用した固定材料(金属のプレート、スクリューなど)を除去する手術です。

・人工骨頭挿入術(股)
大腿骨頭を切除し、金属の人工骨頭に置換する手術です。大腿骨近位部骨折のうち、骨折観血的手術を行っても骨癒合が期待しにくい骨折や、大腿骨頭壊死のリスクが高い骨折に対して行われます。また外傷以外でも骨頭壊死を生じる疾患がありその場合にも行われることがあります。

・骨折観血的手術(前腕)
前腕の橈骨または尺骨の骨折に対する手術です。骨折部を金属のプレート等で固定します。遠位端骨折(手首の骨折)が多く、ギプス等で保存的に治療可能な骨折もありますが、早期の機能回復を目的として手術を行うことが多くなっています。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 82 1.00 1.34 0.00% 52.60
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 38 1.00 6.37 0.00% 33.11
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術) 36 0.97 1.03 0.00% 55.69
K347-5 内視鏡下鼻腔手術1型(下鼻甲介手術) 31 0.94 1.23 0.00% 37.26
K3191 鼓室形成手術(耳小骨温存術) 15 1.47 2.87 0.00% 59.27
習慣性扁桃炎や睡眠時無呼吸症候群等の疾患に対して、口蓋扁桃摘出手術を実施しています。また、鼻・副鼻腔の炎症や腫瘍に対し内視鏡による手術を中心に実施しています。慢性中耳炎に対しては、聴力改善手術も実施しています。
また、難治性のアレルギー性鼻炎に対して下鼻甲介手術を実施し、良好な成績を上げています。
消化器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 89 1.13 5.35 2.25% 66.75
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 など 71 2.94 11.69 2.82% 72.85
K7162 小腸切除術(その他のもの) 17 4.35 19.94 29.41% 77.88
K740-22 腹腔鏡下直腸切除・切断術(低位前方切除術)(内視鏡手術用支援機器を用いて行った場合) など 16 4.94 15.63 0.00% 67.81
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 15 1.27 4.13 0.00% 46.00
・腹腔鏡下胆嚢摘出術
ほとんどが胆のう結石症や増大傾向にある胆のうポリープに対して行う症例となります。お腹に開けた小さな穴から腹腔鏡という細径のカメラをいれて胆のうを取り出す手術です。

・腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術・腹腔鏡下直腸切除・切断術
結腸癌、直腸癌に対する手術でほとんどの症例を腹腔鏡下手術で行っています。臍より腹腔鏡を挿入して大腸を取り出し最後に大腸をつなぎ直す手術です。

・腹腔鏡下虫垂切除術
虫垂炎の炎症の程度に関係なく、前例腹腔鏡で行っています。創が小さいので術後の痛みが軽く早期に退院できます。
乳腺・内分泌外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)) 57 1.04 5.02 1.75% 63.98
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)) 43 1.00 2.51 0.00% 64.74
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) など 25 0.00 1.56 0.00% 56.24
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩鎖骨下部郭清を伴うもの)・胸筋切除を併施しないもの) 19 1.00 8.26 5.26% 61.63
K0001 創傷処理(筋肉、臓器に達するもの(長径5センチメートル未満)) 14 1.93 3.07 0.00% 58.43
画像検査の発展に伴い、早期乳癌症例が増えてきており、中にはMRIでしか認識できない様な微小な病変も指摘される様になりました。当院では保険診療でMRIガイド下乳腺生検が施行可能であり、より早期の乳癌が診断できる様になりました。
令和6年の乳癌根治手術症例数は151例であり、その内乳房温存手術が58例、再建を含む乳房切除術(全摘)が93例でした。また腋窩リンパ節の扱いに対しては乳癌根治手術症例全体の約70%以上に対して縮小手術であるセンチネルリンパ節生検を行っております。以前と比べ乳房切除術(全摘)の割合が増加してきている背景には乳房内の乳癌の広がりを正確に診断する画像検査の精度向上と、乳房再建手術の増加があると思われます。
当院では放射線診断専門医と共に手術前の正確な画像診断(腫瘍の広がりや性質)を確認し、病理専門医が術中のセンチネルリンパ節生検や断端検索、術後の精密な組織診断を行っております。それにより乳腺外科医は患者様に最善の治療を行うことができ、結果として乳房の整容性を保つことが可能となり、リンパ浮腫などの合併症も軽減できます。また、乳房再建を専門とする上記の形成外科医師がいることで、乳房再建手術に関する正確な情報提供と手術の施行が可能となりました。
近年、種類の増加が著しい薬物療法については、病理診断に基づき乳腺専門医が患者様毎に必要な薬剤を選択しながら、補助薬物療法を施行しております。放射線療法については、放射線治療専門医が正確な照射範囲と回数を患者様毎に計画し治療を施行しております。
このように当院では、経験豊富な乳腺外科・形成外科・病理診断科・放射線診断科・放射線治療科がしっかりと連携し、定期的なカンファレンスを行いながら手術の効果を向上させる体制が整えられています。平成30年からは開放型病床を増設し、乳腺専門の診療所の先生方と共同で診療を行うようになり症例はさらに増加してきております。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの) 54 1.72 8.26 1.85% 72.78
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 21 1.43 6.00 0.00% 69.67
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの)) 20 4.05 4.45 0.00% 41.70
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除) 15 2.07 7.07 6.67% 71.00
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 12 0.08 1.00 0.00% 73.58
当科では重篤な合併症がなければ予定手術は手術前日の入院で、殆どの症例が術後約7日程度で自宅退院となっていますが、高齢者などは無理をせず10日目ごろまでリハビリを行って退院となっています。原発性肺癌の標準的な根治手術は肺葉切除であり、当科でも最多となっていますが、重篤な術前合併症がある場合や転移性肺癌・小型の比較的早期の肺癌に対しては、縮小手術である肺部分切除や区域切除を選択します。特に区域切除は、最近全国規模の臨床試験で小型肺癌に対して根治性が証明され、当科でも増加しています。また近年、肺癌の遺伝子治療が急速に進んでおり本来根治手術は適応のない症例でも、どのような薬が、効果があるか調べるために組織を採取する試験切除も増えつつあります。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0481 骨内異物(挿入物を含む。)除去術(顔面(複数切開を要するもの)) 23 0.26 1.17 0.00% 27.70
K4442 下顎骨形成術(伸長の場合) など 17 1.00 6.24 0.00% 29.82
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) - - - - -
K0591 骨移植術(軟骨移植術を含む。)(自家骨移植) - - - - -
K0871 断端形成術(骨形成を要するもの)(指)(足) など - - - - -
形成外科は、顎変形症、顎前突症や外鼻変形、口蓋裂に対して手術を行う症例が多いです。データは比較的年齢が若い患者様が中心ですが、年齢は関係なく診療いたします。紹介の患者様が多く、県外からの方も少なくありません。なお、美容整形は行っておりません。
また、主に外傷後の皮膚欠損や、術後の深部組織の露出等により、創閉鎖を依頼されることがあります。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの) 20 1.20 6.95 0.00% 73.65
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極の場合) 17 3.82 10.88 0.00% 83.12
K597-2 ペースメーカー交換術 - - - - -
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 - - - - -
K5463 経皮的冠動脈形成術(その他のもの) - - - - -
狭心症、心筋梗塞といった虚血性心疾患に関してはワイヤー使用しiFR、FFRを測定し、機能的評価に基づき、適切な治療を行っております。また現在はステントによる治療が標準的ですが、近年エビデンスが整いつつある薬剤コーティングバルーンを用いての、ステントレスの治療も増えていっています。

徐脈性不整脈に関してはペースメーカー植込みを行い、症例によっては大学病院とも相談しリードレスペースメーカーの適応も考えています。またペースメーカークリニックを行い、遠隔モニタリングなど適切な管理、交換術など対応しています。
血液内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 33 20.82 7.88 6.06% 70.85
K6261 リンパ節摘出術(長径3センチメートル未満) - - - - -
K0011 皮膚切開術(長径10センチメートル未満) - - - - -
K637-2 経皮的腹腔膿瘍ドレナージ術 - - - - -
K9222ロ 造血幹細胞移植(末梢血幹細胞移植)(自家移植の場合) - - - - -
抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置 
癌に対する化学療法を何回も行っていると、血管の脆弱性をきたすことがあります。これを予防することで全身への影響を少なくして副作用を軽減させることを目的として、抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置が行われます。血液の癌患者様のほとんどが設置しており、消化器癌では癌種や選択される薬剤に応じて設置しています。
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 14 1.00 5.50 0.00% 74.71
K0061 皮膚,皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3㎝未満) - - - - -
K0051 皮膚,皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2㎝未満) など - - - - -
K0062 皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3㎝以上,6㎝未満) など - - - - -
K0052 皮膚,皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2㎝以上,4㎝未満) など - - - - -
皮膚科領域における皮膚良性腫瘍は、表皮嚢腫、脂肪腫、脂漏性角化症などがあります。腫瘍の長径が4cmを超える比較的大きな皮下腫瘤切除では、術後出血や皮下血腫を最小限にする手術操作に留意しています。前癌病変の光線角化症は手術療法に加え、悪性化の有無についても検討しています。
皮膚悪性腫瘍では、基底細胞癌、有棘細胞癌、ボーエン病、乳房外パジェット病、悪性黒色腫(メラノーマ)などの切除を行っています。拡大切除後、単純縫縮が困難な場合は、皮弁形成術や植皮術で創部を再建します。悪性黒色腫については、リンパ節転移の有無を確認するセンチネルリンパ節生検を行うことがあります。
切除された腫瘍については病理組織を詳しく検討し、診断確定や術後の適切な経過観察に努めています。
呼吸器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0004 創傷処理(筋肉、臓器に達しないもの(長径5センチメートル未満)) 11 10.09 16.45 9.09% 68.64
K522-2 食道ステント留置術 - - - - -
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 - - - - -
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) - - - - -
K300 鼓膜切開術 - - - - -
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2762 網膜光凝固術(その他特殊なもの(一連につき)) - - - - -
眼科は主に地域包括ケア病棟(DPC対象外病棟)に入院のため、診断群分類別患者数には計上となりません。
すべての手術実績(DPC対象/対象外病棟を問わない)は下記のとおりです。

<入院患者実績(令和6年度)>
白内障・水晶体の疾患 354人
黄斑・後極便性 31人
網膜剥離 10人
緑内障 33人
硝子体疾患 18人
結膜の障害 14人
後部・汎ぶどう膜炎 3人
<手術実績(令和6年度)>
水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(縫着レンズを挿入) 13件
水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) 386件
硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む)(その他) 18件
硝子体切除術 10件
網膜光凝固術(その他特殊) 43件

<解説>
眼科は白内障に対して眼内レンズを挿入する水晶体再建術を行う症例が非常に多くなっています。
年齢を重ねると、水晶体が濁り光を通しにくくなることでモノが見えにくくなります。この濁った水晶体を取り除き、代わりに人工の眼内レンズを挿入します。これにより、レンズが光を通すようになり、視力を取り戻すことが期待されます。ハイリスク症例では、水晶体を支えるチン小帯という組織が脆弱になっており、眼内レンズの強膜内固定手術や硝子体手術を必要とする場合もありますが、そのような難治症例の手術加療も行っています。
また、失明の原因にもなる加齢黄斑変性の治療にも力を入れています。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード

DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 29 0.39%
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 15 0.20%
異なる - -
 医療の質の改善に資するため、臨床上ゼロにはなりえないものの、少しでも改善すべきものとして、播種性血管内凝固・敗血症・その他の真菌感染症・手術処置等の合併症の症例数と発生率を集計しました。
入院契機が「異なる」とは、当初別の疾患の治療目的で入院したが、上記の疾患を発症してしまい多くの医療資源を投入したということを意味します。
当院は救急医療に力を入れており、上記のような重篤な症例も積極的に受け入れております。

リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード

肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
1050 991 94.38%
肺血栓塞栓症は、エコノミークラス症候群とも呼ばれ、下肢の血流(特にひざから下)が悪くなることで、大腿の奥にある静脈の血栓(血の塊)ができ、心臓に流れ、さらに肺の大きな血管に訪まって起こる疾患です。
長期間のベッド上安静が必要な方や、長時間の手術を受けられる方は、合併症の一つとして静脈血栓塞栓症に注意する必要があります。軽い場合は息切れや胸の苦しさ程度ですが、重い場合には突然生じる血圧低下や酸素の取り込み不良のため、命に関わる場合もあります。
当院では、発症リスクが高い方に対し、弾力ストッキングの着用や間歇式加圧一減圧装置、抗凝固薬の投与など、肺血栓塞栓症の予防対策を実施しています。

血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード

血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
2022 1991 98.47%
この指標は、血液培養検査を実施している患者さんのうち、2セット実施している割合を示すものです。
2セット採取することで診断精度が高まり、また、皮膚常在菌などによるコンタミネーションとの鑑別が可能となります。これにより、適切な抗菌薬選択や治療方針の決定に資する情報が得られます。

広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード

広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
931 720 77.34%
この指標は、広域スペクトルの抗菌薬が処方された患者さんのうち、入院日以降抗菌薬投与日までの間に細菌培養同定検査が実施された患者さんの割合を示すものです。
広域スペクトル抗菌薬は、幅広い種類の細菌に対して有効です。近年、抗菌薬の乱用による耐性菌の出現が問題となっています。中には広域スペクトル抗菌薬すら効かない耐性菌も出現してきており、抗菌薬の適正使用推進が求められています。
重症感染症等に対しては広域スペクトル抗菌薬が用いられますが、抗菌薬投与前に細菌培養を実施することで起因菌を同定できます。起因菌が判明すれば、より効果がある抗菌薬やスペクトルが狭い抗菌薬へ変更することで、治療の成功率も上がり、耐性菌の出現も抑えることができます。

転倒・転落発生率ファイルをダウンロード

退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生した転倒・転落件数
(分子)
転倒・転落発生率
- - -

転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率ファイルをダウンロード

退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生したインシデント
影響度分類レベル3b以上の
転倒・転落の発生件数(分子)
転倒転落によるインシデント影響度
分類レベル3b以上の発生率
- - -

手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率ファイルをダウンロード

全身麻酔手術で、
予防的抗菌薬投与が実施された
手術件数(分母)
分母のうち、手術開始前
1時間以内に予防的抗菌薬が
投与開始された手術件数(分子)
手術開始前1時間以内の
予防的抗菌薬投与率
810 803 99.14%
この指標は、全身麻酔手術で予防的抗菌薬が投与された手術件数のうち、手術開始1時間以内に予防的抗菌薬が投与された割合を示すものです。
術後感染の予防効果を最大化するために、抗菌薬は手術開始直前に投与するのが最も効果的とされています。抗菌薬の投与のタイミングを記録することで、ガイドラインの遵守の可視化を進めることで、抗菌薬の適正使用が促され、耐性菌の抑制にも繫がります。

d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率ファイルをダウンロード

退院患者の在院日数の総和もしくは
除外条件に該当する患者を除いた
入院患者延べ数(分母)
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上
の褥瘡)の発生患者数(分子)
d2(真皮までの損傷)以上の
褥瘡発生率
85377 25 0.03%
この指標は、入院患者に対して発生したd2(真皮までの損傷)以上の褥瘡の新規発生率を示しています
当院では、褥瘡がある患者さんに対して、週1回の褥瘡回診を実施しています。患者さんの全身状態を念頭におき、褥瘡の評価、なぜ褥瘡が生じたのか、適切なマットレスか、栄養、治療方針などを参加者全員で検討し褥瘡改善を目指しています。

65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合ファイルをダウンロード

65歳以上の退院患者数
(分母)
分母のうち、入院後48時間以内に
栄養アセスメントが実施された
患者数(分子)
65歳以上の患者の入院早期の
栄養アセスメント実施割合
5332 4194 78.66%
この指標は65歳以上の入院患者のうち、入院後48時間以内に栄養アセスメントが実施された割合を示しています。
栄養アセスメントを入院後48時間以内に実施する理由は、急性期におけるADLの低下や低栄養の進行を防止し、治療効果と在宅復帰支援を高めることを目的としています。

身体的拘束の実施率ファイルをダウンロード

退院患者の在院日数の総和
(分母)
分母のうち、身体的拘束日数の総和
(分子)
身体的拘束の実施率
86681 2515 2.90%
この指標は、入院日数のうち身体拘束を実施した日数の割合を示しています。
身体拘束は、抑制帯等、患者の身体または衣類に触れる何らかの用具を使用して、一時的に当該患者の身体を拘束し、その運動を抑制する行動の制限をいいます。身体の自由を奪う「身体拘束(抑制)」は原則として禁止とされているため、当院では生命または身体の安全を保護する為に行動制限以外には代替方法がないと判断した場合を除き、身体拘束をしない医療・看護の提供に努めています。
更新履歴
令和7年9月29日:日本赤十字社長崎原爆病院 令和6年度病院指標公表
令和7年9月30日:日本赤十字社長崎原爆病院 令和6年度病院指標公表 一部修正
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